緑茶で新型インフルエンザ予防/カテキンの抗ウイルス作用に注目、

緑茶で新型インフルエンザ予防 カテキンの抗ウイルス作用に注目2009.10.14
新型インフルエンザの予防策として緑茶が注目されている。日本カテキン学会では、緑茶に含まれるカテキンに予防効果が期待できるとの報告がなされた。「緑茶うがい」についての意見も交わされるなど、医療、保健衛生関係者らからの関心も高まっている。(谷内誠)
◆啓発ポスター復権
「インフルエンザの予防にお茶でうがいを」。茶販売店の店頭で、こんなキャッチフレーズのポスターが目につくようになった。
このポスターは、業界団体の全国茶商工業協同組合連合会(全茶連、事務局・静岡市)が作製。全茶連の大石哲也専務理事は「3年ほど前に作ったものの、当時はインフルエンザが話題にならず、手元に2千枚ほど残っていた。それが、新型の流行で各地から問い合わせが来て、あっという間になくなった」と話す。
全国有数の茶産地である静岡県では、以前から風邪の予防に緑茶でうがいをする慣習がある。同県島田市の市立島田第一小学校のように専用の給茶機を置き、児童に緑茶うがいをさせる学校もある。
新型インフルエンザの予防に緑茶が有効といわれる理由は、緑茶に含まれるカテキンに抗ウイルス作用があるためだ。東京都東村山市の特別養護老人ホーム「白十字(はくじゅうじ)ホーム」の田熊規方(たくまのりかた)医師は、静岡県立大学薬学部の山田浩教授(臨床薬理学)の協力を得て、ホームの入所者に緑茶を使ったうがいや口腔(こうくう)ケアを実施している。
田熊医師は「緑茶うがいを始める前の15年度には、入所者と職員の計33人がインフルエンザを発症した。翌16年度は11人に減少し、それ以後は20年度までが0〜3人の範囲で、今年度は2人にとどまっている」と明かす。
そのうえで、「当地は狭山茶の産地に近いが、一番安い緑茶を5リットルのやかんで煮出して使っている。院内感染の病原体となるメチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)を抑制する効果があり、緑茶を使うようになってから、職員がMRSAを怖がらなくなったという効果もある」と話す。
◆疫学調査を継続
9月8、9の両日、名古屋市で開催された第6回日本カテキン学会では、市民講座のテーマに「新型インフルエンザ」が選ばれた。
インフルエンザの最新状況を講演した国立感染症研究所の岡部信彦感染症情報センター長は、参加者の質問に答える形で、「学問的に示されたデータはまだ少ない。ただ、入浴すればインフルエンザを防げるとまでは言えなくても、清潔にすることはいいことだ。その意味で、うがいはやっておいたほうがいい」と話した。
山田教授は「手洗い、緑茶うがい、マスク…いずれも手軽にできる予防策」と指摘。そのうえで、「緑茶カテキンの効果をさらに証明するため、疫学調査を今後も続けていきたい」としている。
◇
■「緑茶うがい」の対インフル効果実証
静岡県立大学薬学部の山田浩教授は平成16〜17年の冬、全国の老人ホームの入所者や病院の職員らを対象に、うがいに緑茶カテキンを使用したケースと使用しなかったケースで、どれだけインフルエンザの発症率が違うかについて、調査を行った。
結果によると、緑茶カテキン水を試した76人のうちインフルエンザに感染した人は1人(感染率約1・3%)。これに対し、非カテキン水では48人のうち5人(同約10・4%)が感染し、緑茶カテキンの効果が実証されたとしている。
10月14日13時29分配信 産経新聞
◆啓発ポスター復権
「インフルエンザの予防にお茶でうがいを」。茶販売店の店頭で、こんなキャッチフレーズのポスターが目につくようになった。
このポスターは、業界団体の全国茶商工業協同組合連合会(全茶連、事務局・静岡市)が作製。全茶連の大石哲也専務理事は「3年ほど前に作ったものの、当時はインフルエンザが話題にならず、手元に2千枚ほど残っていた。それが、新型の流行で各地から問い合わせが来て、あっという間になくなった」と話す。
全国有数の茶産地である静岡県では、以前から風邪の予防に緑茶でうがいをする慣習がある。同県島田市の市立島田第一小学校のように専用の給茶機を置き、児童に緑茶うがいをさせる学校もある。
新型インフルエンザの予防に緑茶が有効といわれる理由は、緑茶に含まれるカテキンに抗ウイルス作用があるためだ。東京都東村山市の特別養護老人ホーム「白十字(はくじゅうじ)ホーム」の田熊規方(たくまのりかた)医師は、静岡県立大学薬学部の山田浩教授(臨床薬理学)の協力を得て、ホームの入所者に緑茶を使ったうがいや口腔(こうくう)ケアを実施している。
田熊医師は「緑茶うがいを始める前の15年度には、入所者と職員の計33人がインフルエンザを発症した。翌16年度は11人に減少し、それ以後は20年度までが0〜3人の範囲で、今年度は2人にとどまっている」と明かす。
そのうえで、「当地は狭山茶の産地に近いが、一番安い緑茶を5リットルのやかんで煮出して使っている。院内感染の病原体となるメチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)を抑制する効果があり、緑茶を使うようになってから、職員がMRSAを怖がらなくなったという効果もある」と話す。
◆疫学調査を継続
9月8、9の両日、名古屋市で開催された第6回日本カテキン学会では、市民講座のテーマに「新型インフルエンザ」が選ばれた。
インフルエンザの最新状況を講演した国立感染症研究所の岡部信彦感染症情報センター長は、参加者の質問に答える形で、「学問的に示されたデータはまだ少ない。ただ、入浴すればインフルエンザを防げるとまでは言えなくても、清潔にすることはいいことだ。その意味で、うがいはやっておいたほうがいい」と話した。
山田教授は「手洗い、緑茶うがい、マスク…いずれも手軽にできる予防策」と指摘。そのうえで、「緑茶カテキンの効果をさらに証明するため、疫学調査を今後も続けていきたい」としている。
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■「緑茶うがい」の対インフル効果実証
静岡県立大学薬学部の山田浩教授は平成16〜17年の冬、全国の老人ホームの入所者や病院の職員らを対象に、うがいに緑茶カテキンを使用したケースと使用しなかったケースで、どれだけインフルエンザの発症率が違うかについて、調査を行った。
結果によると、緑茶カテキン水を試した76人のうちインフルエンザに感染した人は1人(感染率約1・3%)。これに対し、非カテキン水では48人のうち5人(同約10・4%)が感染し、緑茶カテキンの効果が実証されたとしている。
10月14日13時29分配信 産経新聞